【米国株 WIT】インドが生んだ巨大 IT企業 ウィプロとは?気になる会社・業績概要

4月某日、弊社のインド人のスタッフはボソリと呟いた。「インド経済は熱い、燃え上がる人口増加に伴い経済も爆発する」と、その中で出てきた企業「ウィプロ WIT」、彼はこう続けた「長期投資するならこの株だ」と。

ということで今回の記事では、インドを拠点とするITコンサルティング及びサービスプロバイダーの企業であるウィプロ「WIT」を紹介します。

今回の記事で分かることは以下の3点になります。お付き合いのほど、宜しくお願いします。

・会社概要、事業種別、強み・弱み、競合、
・業績情報
・直近の動向 (プレスリリース)

目次

ウィプロ「WIT」ってどんな会社なの?

Wipro Limited (WIT)インドのバンガロールに本社を置くITサービス・コンサルティング企業で、設立は1945年とインドのIT業界大手6社の中で一番古く、インドのIT業界で第二位の規模を持っています。

元々は食品や医薬品などを展開していたが、1980年以降にIT分野に進出し、今や167カ国を相手にする巨大IT企業となりました。コロナ禍を除き、過去20年に亘り、右肩上がりでチャートは上昇おり、ポテンシャルの高そうな銘柄ではあります。

参照元:Yahoo Finance

会社規模は以下の通りです。(6月16日時点)

  • 設立年度  :1945年
  • 売上高   :904,876 Million ルピー (約1兆5500億円)
  • 純利益   :113,500 Million ルピー (約2000億円)
  • 自己資本比率:66%
  • 株価    :381.30 USD
  • PER    :18.67
  • PBR    :2.71
  • 概要    :ITサービス・コンサルティング企業

創立者のアズィーム・ハーシム・プレームジー氏は1966年にスタンフォード大学工学部を21歳で卒業、そこから親の会社を引き継ぎ、現在に至るまで急成長を遂げたという敏腕経営者である。世界有数の資産家としても有名である。

ビジネスセグメント

私自身ITは門外漢のなのであれだが、ビジネス区分は以下の2つに大きく分類される。

Integrated Digital, Engineering & Application Services (iDEAS) 売上比率 全体の61%
=> 統合デジタル、エンジニアリング、アプリケーション サービス
Infra Cloud, Digital Operations, Risk & Cyber-security services (iCORE) 売上比率 全体の39%
インフラ クラウド、デジタル オペレーション、リスクおよびサイバー セキュリティ サービス (iCORE)

更にこれらは顧客別、地域別、セクター別に区分することが出来る。顧客別に見た場合は、Top-10の顧客が占める売上割合は20%以下であり、且つマーケットごとに見た場合も、アメリカが57%であるが、欧州が30%、その他(アジア・パシフィック・ミドルイースト・アンド・アフリカ)が12%という点だ。少し偏重的になっているのが分かる。

Business Risk / Opportunity (ビジネスリスク・ビジネス機会)

ビジネスリスクについては以下が挙げられます。

売上偏重:同社の収益は、主に米州(米国を含む)および欧州に所在する顧客、ならびに特定の地域に集中する顧客に大きく依存しています。そのため、米州、欧州、またはその他の地域の経済の健全性に影響を及ぼす景気減速または要因が発生した場合に、同社の業績に影響を与えるとされています。

特に米国地域に約60%、更には欧州が30%のシェア、更には顧客のTop 10が売上の20%を占めるなど、偏重的リスクが見られます。

契約リスク:期顧客契約の中には、ベンチマーク条項や最有力顧客条項が含まれており、これらの条項が顧客から発動された場合、契約上の収入および顧客数が減少する可能性があります。

更に同社の顧客契約の多くは、契約解消条項において解約料なしで解約される可能性があり、これ は当社の収入及び収益性に悪影響を及ぼす可能性があります。またサービスの欠陥や知的財産権、データ保護に関する権利を侵害したことにより、訴訟の対象となり、損害賠償を要求される可能性もあります。

③技術リスク:IT業界という急速な変化が求められる市場において、新規技術開発や既存サービスの強化に失敗した場合に同社の業績が悪化する可能性に加え、その為のインフラに多額の設備投資を行っており、事業革新や売上成長が見込まれない場合のリスクもあります。

業績レポートには更にこれらの詳細リスクが明記されていますが、どれも一般的なものであるため、ここでは詳細は割愛したいと思います。他方で、これらのビジネスリスクは他の企業にも成り立つ事象であることから、それほど特別な弱みになるか、と言われると怪しい気がします。

一方でビジネス機会を見てみたいと思います。

①マーケット規模:同社が発表しているIndia’s offshore (インド国外)及びBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)のマーケット規模を見ると、過去15年に亘ってCAGR(年平均成長率) 11%を維持しています。且つマーケット規模は5倍にまで膨らんでいまsう。

別のデータを見ても、米国市場の見切り取った場合でもIT Serviceのマーケット規模はCAGR(年平均成長率)で7.10%成長するなど、これは市場参加者から見てもある程度は予想が出来る結果になっています。

なので、マーケット需要そのものはあるということになり、如何にこの需要を刈り取っていくかという点がポイントになると思います。そこで気になるのが競合他社の存在です。

競合

Tata Consultancy Services (TCS)
タタ・コンサルタンシー・サービシズ(TCS)は、マハラシュトラ州ムンバイに本社を置くインドの多国籍情報技術(IT)サービスおよびコンサルティング企業です。。 タタ・グループに属し、46カ国150拠点で事業を展開している[8]。 2022年7月には、TCSは世界で60万人を超える従業員を抱えていると報告されている。
=> これは完全に規模だけ見ると、競合というか上位互換な気がしますが、、、

Accenture
Accenture plcは、ダブリンに本社を置くアイルランド系アメリカ人[5][6]のプロフェッショナルサービス企業で、情報技術(IT)サービスとコンサルティングに特化しています。フーチュン・グローバル500の企業であり、2022年には616億ドル (約 8.5兆円)の売上あり。
=>こちらは言わずもがなの企業ですね。

HCLTech
HCL Technologies Limited, d/b/a HCLTech (formerly Hindustan Computers Limited) は、インドの多国籍情報技術 (IT) サービスおよびコンサルティング会社で、ノイダに本社を置く企業である。1991年にHCLがソフトウェアサービス事業に参入した際に独立した会社として誕生し、現在では52カ国に拠点を持ち、225,944人以上の従業員がいます。
=>さすがIT大国インドです。同じような巨大企業が居ますね。

何を以てWIPROとの比較が出来るのかという点は不明ですが、これらが競合として挙げられています。これら企業の動向を見たうえで、WIRPOとの比較をすると、更に詳細な分析が出来そうではあります。

業績情報

■比較表
売上 :21年度比 46%増加
粗利 :21年度比 32%増加 (粗利率:29%)
営利 :21年度比 13%増加 (営利率:15.4%)
純利益:21年度比 5%増加 (営利率:12.5%)

売上・純利益共に黒字、且つ業績も右肩上がりで伸びていることから、非常に優秀な企業であることが伺えます。また自己資本比率も約61%と非常に高いのも伺えます。相対的な評価は出来ないですが、単体で見た場合には良いと言えるかと思います。

プレスリリース

ざっと調べましたが、ものすごい量のプレスリリースが発表されています。この以下の3記事は約10日以内に発表されたということから、スピード感が恐ろしく速いことが伺えます。恐ろしいです。。。

Wipro and Cisco Launch Managed Private 5G-as-a-Service Solution to Accelerate Enterprise Digital Transformation

WIPROはシスコ(NASDAQ:CSCO)との提携により、マネージドプライベート5G-as-a-Serviceソリューションの提供を開始しました。この新しい提供により、企業のお客様は、プライベート5Gを既存のLAN/WAN/クラウドインフラとシームレスに統合することで、より優れたビジネス成果を達成することができる。と同社は述べています。

仕事の性質の変化や、情報技術(IT)および運用技術(OT)インフラ全体のデジタル変革は、5Gやその他の補完的な技術によって推進されており、このシスコとWIPROが提供するマネージドプライベート5Gは、プライベート5Gネットワークの取得、運用、保守を行うことなく、その利点を享受したい企業をサポートすることが出来ます。このAs-a-Serviceソリューションは、ウィプロとシスコがソリューション導入の技術的、運用的、商業的リスクを引き受けるため、先行投資(Capex)に伴うリスクを最小限に抑え、技術導入を促進することで企業のお客様にメリットをもたらします。

https://www.wipro.com/newsroom/press-releases/2023/wipro-and-cisco-launch-managed-private-5g-as-a-service-solution-to-accelerate-enterprise-digital-transformation/

Wipro’s first testing facility in the U.S., the Center will offer clients advanced 5G testing capabilities as well as mission-critical support

WIPROはテキサス州オースティンに新しい5G-Def-iイノベーションセンター(「センター」)を開設することを発表し、お客様がより安全で持続可能、かつコンプライアンスに優れた製品およびサービスで5Gテクノロジーの恩恵を実現できるようにするのが目的です。

同センターは、ウィプロの5G Def-iプラットフォームを活用し、24時間365日の製品認定、コンプライアンス、事前認定、相互運用性試験、業界認定などを完全に統合したサービスを提供しており、この最新鋭のセンターによって現実世界の条件をベースとした制御設計を提供し、顧客は5Gネットワークとデバイスの性能を最適化できるようになります。

https://www.wipro.com/newsroom/press-releases/2023/wipro-and-cisco-launch-managed-private-5g-as-a-service-solution-to-accelerate-enterprise-digital-transformation/

Wipro Launches an Immersive Innovation Experience for Financial Services with Microsoft

WIPROは、Microsoft Cloud上に構築された銀行および金融サービスソリューションの「Wipro Industry Innovation Experience for Financial Services」を開始することを発表しました。このInnovation Experienceは、Microsoft Cloudの機能とWipro FullStride Cloudを統合し、さらにWiproとCapcoの金融サービスにおける深いドメイン専門知識を活用することで、マイクロソフトとウィプロは、金融サービスの顧客が成長を加速させることになります。

https://www.wipro.com/newsroom/press-releases/2023/wipro-launches-an-immersive-innovation-experience-for-financial-services-with-microsoft/

以上

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