消費者物価指数 (Consumer Price Index)とは?米国金利の判断材料となる重要指標

最近、ニュースでよく目にする「米国金利の上昇」。 米連邦準備理事会(FRB)が9月20-21日に開催する米連邦公開市場委員会(FOMC)で今後の利上げの方向性が決まるとされています。その中で判断材料の一つとされるのが消費者物価指数 (Consumer Price Index = 以下、CPI)である。9月13日には8月の米消費者物価指数(CPI)の発表を控えています。

前回の記事ではデフレについて纏めてみましたが、その中でもデフレ・インフレの目安となるのがこの消費者物価指数なのです。

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CPIも含めたその他指標をもとに金利政策の方向性が導き出され、それに応じてドル高や米国株式市場に大きな影響を与えると考えられています。ゆえに今回の記事では来るFOMCでの金利政策における「重要な判断指標の1つであるCPI」が何かについて説明したいと思います。

今回の記事で分かること
①CPIとは何か
②CPIの見通し

素人が勉強がてらに纏めているので誤り等は勘弁してください。

目次

消費者物価指数 (Consumer Price Index)とは?

CPIの定義・目的

消費者物価指数 (CPI = Consumer Price Index)とは、全国の家計が購入している商品やサービスの価格を指数化した指標で、物価の動きを測る物差しとして用いられる指標です。米国の場合は月次毎で測定しており、この指標をベースに、物価が前年を上回って推移する状態をインフレーション、下回る状態をデフレーションとして判断しています。景気拡大などの場面では企業は値上げをしやすくなることからインフレに、不況になるとデフレに陥りがちです。

日本のCPIは以下の3つの区分に分かれます。

  1. 総合指数 (通称:CPI)
  2. 生鮮食品を除く総合指数 (通称:コアCPI)
  3. 食料及びエネルギーを除く総合指数 (通称:コアコアCPI)

全て総合指数という名前ですが、除外される項目によって名称が変更され、新聞やテレビのメディアでも「消費者物価指数」という定義が使われるときは、コアCPI or CPIかで意味合いが変わります。特に生鮮食品は需給による価格変動が大きい為、生鮮食品を除いた総合指数でコアCPIとして呼んでいます。

ここで気を付けなければならないのは、海外と日本でコアCPIの定義が異なる点です。米国では以下の通りに分類をされます。以降では主に米国のCPIについて

  1. 総合指数 (通称:CPI)
  2. 生鮮食品を除く総合指数 => 使われないので無視
  3. 食料及びエネルギーを除く総合指数 (通称:コアCPI)

CPIの計測方法

アメリカ合衆国労働省労働統計局 (Bureau of Labor Statistics (BLS))が月次毎に集計をして公表している。集計方法としてはBLSが約23,000もの小売店から、製品・サービスも含めた約94,000項目の価格を収集しており、このデータをベースに算出している。米国の93%の人口部分をカバーしており、米国全土としての統計データとして使われている。

URL:https://www.investopedia.com/terms/c/consumerpriceindex.asp

米国市場におけるCPIの見通し

2022年4月以降の市場予測と実態との比較は以下のとおりである。ポイントとして、2022年4月から7月にかけては市場予測(Forecast)を上回る実態値を叩き出しており、このCPI (≒インフレ指標)が上昇傾向にあったのです。

それが8月時点(7月の統計値)では①市場予測を下回る、②また減少に転じ、市場にはインフレ抑制が進んでいるとの見方が広がったのも事実です。ジャクソンホールによるパウエル議長のコメントで、「単月の数値だけでぬか喜びは出来ない、痛みを伴ってでも徹底的に金利上昇をしていく」と述べたのも記憶に新しい。

URL:https://www.investing.com/economic-calendar/cpi-733

いずれにせよ、市場予想は8.1%と2021年度全体を通してみても、はるかに高い水準であることに変わりはなく、まだまだインフレが続いている状況と言えるだろう。我々のような庶民は市場予想8.1% vs 実態 xx%がどうなるか神経質になっており、仮に米CPIが市場予想を上回る結果となれば、米連邦準備理事会(FRB)のタカ派化警戒が強まり、米国市場は下値模索の展開が予想されると思われる。また為替も更なる金利高へと繋がり、日本の円安が進む可能性も高いでしょう。


URL:https://www.investing.com/economic-calendar/cpi-733

米国のサイトでは以下のような見通しも出ています。インフレ率そのものは抑制傾向であり、67%のConfidence Bandでは7%後半前後に収まるとの見方もあります。知らんけど。

https://www.efginternational.com/insights/2022/what_will_us_inflation_be_in_august_a_forecast_based_on_gasoline_prices.html

またその他の要因からも予想を見ておく必要があります。米国サイトを元に幾つかのポイントを付記しておきます。

①米国のCPI 4.1%を占める中古車の販売価格もマンハイム中古によると8月前半では前月比で3.6%下落。
②また21年初頭から米国のCPIを押し上げてきたエネルギー価格の上昇も、漸く落ち着いてきている。
こうしたほかの要因からもインフレ率は8月に2か月連続で低下する可能性があります。

インフレ率は低下する可能性がありますが、一方で未だ高いインフレ水準が保たれており、これを踏まえて20-21日の米連邦公開市場委員会(FOMC)でどうなるかという点です。CPI以外にも指標はいくつかあるので、それも次回以降では見てみたいと思います。

アディアオス 以上

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