【企業分析】 Chat PDF/Chat GPTを使って米国株の企業分析をしてみた

はい、ポンコツです。ご無沙汰しております。

米国株の企業分析をする中で困りごとの1つは、「膨大な英語の情報の中から、必要な情報を抜き取る」です。例えば、今回紹介するオルガノジェネシス・ホールディングス 【ORGO = Organogenesis】を当該企業のウェブサイトを見てみましょう。

Investor Relation (IR)から会社紹介のプレゼンテーションへと飛ぶことが出来ます。以下が実際の紹介ページですが、膨大な文章量、英語、特に専門用語なども相まって読む気にならないというのが実態です。簡単な会社紹介のページですらこれですから、四半期決算の更に文字だらけの報告書は日本人にとっては非常にハードルが高いと感じます。

なので、今回はChat PDFを使って決算レポートを纏めてみたいと思います。

目次

Chat PDFとは?

そもそもの疑問点として「Chat PDFとは?」かと思います。Chat PDFは、巷ではやりのOpenAI社が提供するAIチャットボット「ChatGPT」を利用して、PDFの文書要約を行ったり、PDFの内容に関する質問に対話形式で回答してくれたりするサービスです。

要はPDFをAIに読み込ませると、AIが我々の質問に対して答えてくれるというサービスです

使い方も非常にシンプルでPDFをChat PDFのウェブサイト(以下)にドロップすれば読み込んでくれるというものです。早速使ってみたいと思います。繰り返しですが、今回、読み込ませるのはオルガノジェネシス・ホールディングス 【ORGO】の決算レポートを対象にしてみます。

オルガノジェネシス・ホールディングス 【ORGO】の四半期決算

Chat GPTの凄い点は、PDFを読み込ませると自動的にPDFの要旨を自動的にまとめてくれます。以下が実際のサマリーとなります。

同社は、2023年第1四半期の純収益が1億7600万ドルであり、2022年第1四半期の純収益9700万ドルに比べて1050万ドルの増加を報告しました。Advanced Wound Care製品が純収益の増加に貢献し、2022年第1四半期に比べて12%の増加を示しました。ただし、Surgical&Sports Medicine製品は純収益が4%減少しています。それでも、同社は2023年第1四半期に330万ドルの純損失を報告しています。

英語版の要約だと正しく表示されるのですが、日本語だと一文目から矛盾が発生しています。純収益は正しくは1億760万ドルです。日本語への翻訳レベルとしては未だ弱そうではありますが、それを差し引けば、上記のように一瞬で要約してくれるので非常に便利です。

ただ、これだけでは財務レポートの纏めとしては非常に弱いです。これだけを読めば、色々と質問が出てくるかと思います。例えば、ポンコツの私ですら、次の質問がぱっと思いつきました。

・Organogenesis Holdings Inc.の2023年第1四半期の純収益増加に貢献した要因は何か?
・なぜSurgical&Sports Medicine製品は2023年第1四半期に純収益が減少したのですか?
・Organogenesis Holdings Inc.は、2023年第1四半期に報告された純損失に対処するための対策は?
・2023年全体の見通しは?

これを質問すると答えてくれるのが、Chat GPTの凄い点でもあります。実際に質問してみたいと思います。

・Organogenesis Holdings Inc.の2023年第1四半期の純収益増加に貢献した要因は何か?

Organogenesis Holdings Inc.の2023年第1四半期の純収益増加に貢献した要因は、同社のAdvanced Wound Care製品が市場で好調だったことです。同社は、Advanced Wound Care製品の売上高が2022年第1四半期に比べて12%増加したことを報告しています。具体的な製品名や販売戦略については、PDFファイルには記載されていません。

素晴らしい正直な回答です。ただ、PDFの情報量が限定的である場合においては具体的な回答は出てこないというのが難点です。今回のPDFは6 Pageだったので仕方がないかもしれませんが。

次々に回答を見ていきたいと思います。

・なぜSurgical&Sports Medicine製品は2023年第1四半期に純収益が減少したのですか?

Organogenesis Holdings Inc.の2023年第1四半期におけるSurgical&Sports Medicine製品の純収益減少の原因について、PDFファイルには具体的な情報がありません。ただし、同社はSurgical&Sports Medicine製品の純収益が2022年第1四半期に比べて4%減少したことを報告しています。可能性としては、市場競争や需要の低迷などが影響している可能性がありますが、確定的な情報はありません。

・Organogenesis Holdings Inc.は、2023年第1四半期に報告された純損失に対処するための対策は?

PDFファイルによると、Organogenesis Holdings Inc.は2023年第1四半期に純損失を報告していません。同社は、2023年第1四半期の純収益が前年同期比で11%増加したことを報告しています。したがって、同社が純損失に対処するための対策を講じる必要はありません。

何かがおかしい。こやつはサマリーの中で「それでも、同社は2023年第1四半期に330万ドルの純損失を報告しています。」と述べているにもかかわらず、純損失は報告していないと書いているではないか?Chat PDFに「嘘をつくな、レポートで記載しているではないか?」と再度、問いただしました。

なんと英語だと、こやつは素直に前回の回答に誤りがあったことを認めました。恐るべし、AI、いろんな意味で信じて良いのかどうか分からないとは、、、、ただ回答としては「PDFに無いので分かりません」とのこと。AIも初期回答は見栄を張った可能性が出てきました。

・2023年全体の見通しは?

2023年12月31日までの期間において、Organogenesis Holdings Inc.は約1%から3%の年間増収を見込んでいます。売上高の範囲は$454 millionから$466 millionです。Advanced Wound Care製品からの売上高は前年度比0%から2%増加し、$424 millionから$432 millionになることが予想されています。Surgical & Sports Medicine製品からの売上高は前年度比約5%から19%増加し、$30 millionから$34 millionになることが期待されています。Net incomeは$3 millionから$11 millionの間で、Adjusted net incomeは$8 millionから$16 millionの間で予想されています。EBITDAは$28 millionから$39 millionの間で、Adjusted EBITDAは$38 millionから$49 millionの間で予想されています。

これに関しては完全に英語を日本語訳にしただけというAIの要素ゼロでした。

結論

  1. 平気でうそをつく
    明らかに情報が記載されているにもかかわらず、PDFの中に情報が見当たりませんでした。とコメントしてきます。その後、質問の形を変えると謝罪しながら回答してくれるなど、そもそもの精度が低いように感じました。
  2. 微妙に異なる情報を載せる
    数値が元のデータと微妙に違うなど、翻訳時なのか情報の読み込み時のミスなのか非常に分かりにくい誤りをしてくる

    なので結論としては、精度さておき、概略を掴みたい場合などは非常に便利。また元のデータと読み合わせながら使う分には、ある程度の精度も確保できるのでそういった場合は未だ使用価値があるかなという程度でした。
よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

コメント

コメントする

目次