【本音】メーカー企業(製造業)に入社前後の心境の変化を綴る

【本音】メーカー企業(製造業)に入社前後の心境の変化を綴る

はい、ポンコツです。お疲れさまです。頭書の件、実際にメーカーへの入社前後で自分自身に大きな心境の変化があります。就職活動時は、日本のモノづくりは素晴らしいという志望動機を左手に、わけのわからない学生時代の取り組みを右手に片っ端から面接活動にあたってたポンコツです。

学生のときは社会はおろか、右も左も分からないペーペーでしたが、この左手にあった「日本のモノづくりは素晴らしい。品質が高い。」を信じていました。特に日本は、家電製品・車も含めてほとんどの製品は日本製の割合が高く、それだけ各種産業が発達しているというのは素晴らしいことです。サウジを見てください、地場の産業は殆どありません。

実際にそんな私がメーカーに入って感じたことを今回の記事では取り上げたいと思います。

入社前の日本の製造業への印象

夜の工場・製造業04 | フリー素材ドットコム

 

そもそも就職活動でモノづくりを全面に押し出すようになったのは、学生時代のバックパッカーの経験がきっかけです。後進国を旅する中で「日本は素晴らしい、技術大国だ、マンセー」と、ローカルの人達によいしょされるうちに勘違いが始まっていた気がします。

なんといっても当時はまだ中国のXiaomiや韓国のSamsungといった今でこそ、脅威のメーカーはそれほど市場に出ておらず、日本の中古車がバイク、更にはキャノン・ニコンとカメラものが至るところにあったと記憶しています。

ここでの経験から、就職活動中は「将来は日本の技術を世界に広めてやる」、そんな使命感に満ち溢れていました。やはり、日本の中でもトヨタや上記のような素晴らしい会社もあります。しかし、全てがすべてそんな会社ではないことを当時は知る由もありませんでした。

入社後の日本の製造業への感想

製造業であるメーカーに入って、働いたポンコツの感想を率直に申したいと思います。

日本的企業であるがゆえの決断の遅さ

こちらに来て思いますが、日本側は全ての決断に時間を要している印象を受けます。サウジアラビアでは本当に零細企業のようなとこで働いています。∴なにか問題があった際には社内一丸となって取り組むので、方向性はクリアであり、一度会議を開けばその中で決断・アクションに至るので物凄く早いです。

一方でサウジの会社と比べると日本の会社は、全てにおいて決断・対応が後手後手になっていた気がします。完全な縦割り組織となっており、トラブルが合った際には対客先を見て判断するのではなく
①責任がどこにあるのか、社内で責任の擦り付け合い
②幹部の意思決定を仰ぐべく、原因究明や今後の対応策を社内で準備
③幹部への事前説明
④社内会議
⑤幹部からの質問があれば、後日整理の上、再度回答
⑥ここで初めて回答といった流れになります。

当たり前ですが、平気で1週間、2週間は経ってしまいます。

見積対応も金額が大きければ、社内幹部説明の為の事前・事前説明会といったことも平気であります。社外を見て営業というよりかは、社内の顔色を伺いながら営業をするというのが正しいかもしれません。

技術大国日本の虚像に悩まされる幹部

今でこそ中国・韓国勢が徐々にマーケットに進出、特に新興国向けなんかには中国は円借款ならぬ元借款も用いて国ぐるみで営業をかけていたりします。特に脅威のが圧倒的な価格競争力です。日本製と比べて値段が倍半分違うということはザラにあり、恐ろしいことになっています。

それでも幹部の中には、日本製品が高値でどんどん売れていた時代の記憶に蝕まれている人も多いです。社内にいて脅威に思えるのは、「価格は安いが、中国製品は品質が悪い。だから価格が高くても売れる」というマインドです。普通に考えると顧客は品質が良くとも、値段が倍以上違うところからは余程のことがない限りには発注はしないです。何故ならば、客先も社内で当然説明がつかないです。

そもそも品質が良いというのは定性的な指標であって、品質の良さは定量化しにくいです。一方で価格は明確に定量化され、誰が見ても圧倒的な判断基準の一つになりえます。そうこうしているうちに徐々にマーケットに中国勢が進出、ここで起きるのが「中国勢がいないマーケット或いは品質重視の顧客を狙え」です。そもそもの本質的な問題から目を背け過ぎです。数年のうちはそれで良いのかもしれませんが、次の5年を見据えた際にそのマインドで本当に成長していけるのか非常に不安になります。

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レスポンスの悪さ

こちらに来て半年経ちますが、小さい会社ということもあり、購買との距離も凄く近いです。調達する部品の中にはイタリアやオランダといった欧州のメーカーもあれば、それこそ日本から購買する部品もあります。これは完全に個人的な感想であり、日本のメーカー全てに当てはまるわけではありませんが、思ったことです。

欧州メーカーは納期回答を求めると、きちんと期日通りに回答をくれます。レスポンスは基本即レスです。非常に依頼をしている方からすると、安心感が非常にあります。

一方で日本のメーカーは先ず、納期要求に対してレスポンスが帰ってこない場合が多いです。期日担ってフォローをすると、「そこで〇〇日にはいつ回答できるかわかる」といった斜め上の回答が返ってきます。納期を聞いているのに、納期回答をいつできるか〇〇日にわかるというワンクッションが入ります。当然、このスケジュール通りには行きません。

実際、欧州勢からは3日以内に見積回答があった場合でも、日本からは2ヶ月経ってまだ見積回答が来ないというのは平気であります。当然、この間、メールのトレース及びで電話会議でのトレースも複数回してこの具合です。背景に何があるかというと、圧倒的なマンパワー不足。人員不足。少数精鋭という言葉を餌に、人件費が高い分のコストを低人数で回しているためです。

レスポンスの内容

図面なんかはこの21世紀のご時世、どこのサプライヤーもCADやら何やらで綺麗な図面を出してきます。一方で、我らが日本は未だ手書きの図面を出してくるサプライヤーも実在します。もはや私が知っているモノづくりの日本はここには存在していないのかもしれません。

これは全て私の経験であり、全てのメーカーは当てはまらないです。恐ろしく先進的な日本のメーカーもたくさんあると思います。じゃあ、日本メーカーの良いところは無いのか、という点です。「何を武器に海外の競合と戦っているのか」という点です。

丁稚奉公による圧倒的柔軟性

よく言われるのが日本人的な人の良さがあります。例えば、実際にある話ですが、事前に幹部間で値段を合意していたにもかかわらず、中東ではその値段の半分で勝手に注文書が出てくることがあります。普通に考えれば、その値段で受ける義理もなく、突き放せば良いのですが、我々はその議論に付き合う傾向があります。で、結局最終的には顧客の思うままの値段で合意するケースが結構多いです。

一方で欧州のメーカーについて客先からよく言われるのが、「非常にドライであり、その点は日本のメーカーは非常にやりやすいと、無理難題もきちんと向き合って解決しようとする」という言葉です。実際、ものを納入してから予算が無くなったからと言って支払われないこともざらにありますが、そういった場合もあまり強く出ずに最終的に値引きに合意して応じるケースもかなり多いです。悪い言い方をすれば、奴隷商売のようなものです。中東の案件に長く携わっていますが、この手の最後に勝手に値段を減額、合意内容の注文書を出さないというのは、顧客は違えど全ての案件で発生しています。営業からするとストレスはものすごいです。

斯様な丁稚奉公的思想による営業力なのか分かりませんが、未だなんとか生き残れているというのが実態です。今回は、メーカーの入社前後で理想と現実は大きな乖離があったなというお話です。

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以上